Yoichi Ochiai Imago et Materia

落合陽一 映像と物質

2017 3.4-4.11

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落合陽一は、東京大学で博士の学位を取得し、筑波大学と自身の企業であるPixie Dust Technologiesにて、メディア芸術及びメディア技術に関する研究や制作に従事するメディアアーティストです。
Prix Ars Electronica,EU Starts Prize, World Technology Award,Laval Virtual Awardなど国 際的な受賞経験も多く先 端技術を 応用する芸術作品、アナログな光学系、物質性に回帰する作風等で評 価を得ています。メディアアートの国際的論文誌であるLeonardo誌では「アリスの時間」が表紙作品に選ばれるなど注目を集めています。

本展覧会では、アナログな工学系の原理に回帰する「アリスの時間」(2014年,SIGGRAPH Art Gallery)、古典的レンズと開店工学系の技術を3Dプリント技術と組み合わせる事によって、映像と物質の関係性を批評した「ゾートログラフ」 (2016年,クアラルンプール個展)、最新ホログラフィック音響合成技術を用いて人の気配を蘇らせる「幽体の囁き」(2016年,県北芸術祭)の3作品を出展致します。

落合は、イメージと物質の間にある表現可能性を探求し続けてきました。イメージ=移ろうかすかなこと(幽)、物質=根源的で確かなこと(玄)、でなる日本語的「美」の言語化=幽玄。幽玄に起因する日本的表現モチベーションからビジュアルとしての日本的なコンテクストを漂白しようとしています。
本展覧会のタイトル「Imago et Materia」はラテン語でイメージと物質を意味します。質量なく移ろう五感的イメージと解像度の奥深さがある物質について考え続け、壊れやすく消えやすいものを用いる落合の制作スタイルの中に、工業化社会と大衆メディアによって均質化され薄まり、ビジュアルモチーフが抜け落ちても、幽玄への憧れは未だ残っているような日本的美的感覚と身体性を見ることができるでしょう。

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