CROSSTALK for ART & SCIENCE
アートとラボ ― アルスエレクトロニカ・フューチャーラボ・メンバーをお招きして
2016 12.13 18:00-20:00
2016 12.13 18:00-20:00
ここ数年、ラボやリサーチと冠した組織が注目されることが多くなりました。デジタル技術と新しい社会ビジョンを武器に、彼らはアフターインターネット時代の世界をぐいぐいと推し進めているように見えます。研究的態度をイノベーションの駆動力とするラボドリブンな社会のイメージはどのようなものなのか、世界で最も注目を集める研究組織アルス・エレクトロニカ・フューチャーラボのメンバーを招聘して、その姿を議論します。
Christopher Lindinger
Director Research and Innovation
リンツ大学でコンピュータサイエンス、ザルツブルグ大学で文化経営を学ぶ。シカゴのゲーム企業では、VRとスパコンを使ったビジュアライゼーションの研究者として開発者として勤務。1997年より、デジタルアート分野の活動を基盤として、アルス・エレクトロニカに入社。現在は、アルス・エレクトロニカ・ フューチャーラボの研究イノベーション部長。これらの活動に加えて、政府組織や企業のコンサルタントとして活動し、ドイツとイギリスの大学でも教鞭をとっている。
小川 秀明 | Dr. Hideaki Ogawa
Key Researcher / Artist
アート/テクノロジー/社会に着目して活動するクリエイティブカタリスト/アーティスト/キュレーター/研究者。ホンダR&D、東芝、トヨタ、博報堂などの企業とイノベーションのためのプロジェクトを実践。特に、イノベーションを促進する「アート思考」に着目している。博報堂とアルス・エレクトロニカによる共同企業フューチャー・カタリストにおいては、世界中の優れたイノベーターとのシナジーを通して、様々な「創造的な問い」への回答となる新しいコンセプト/アイデア/戦略を生み出している。
Dr. Martina Mara
Key Researcher
メディア心理学者。アルス・エレクトロニカ・フューチャラボのロボット心理学研究部門長。ビジネスとサイエンスのワールドワイドなパートナーとのコラボレーションにおいて、様々な対象ユーザと高度なユーザアクセプタンスと快適な相互経験を構築するために、ロボットはどのように見えるべきか、振舞うべき か、コミュニケーションすべきか分析をしている。University of Koblenz-Landau’s Instituteにて、人間を模したマシン知覚研究の論文により、コミュニケーション心理学とメディア教育分野における博士号を取得。多くの国際会議で 定期的に講演をしている。
鷲尾 和彦 | Kazuhiko Washio
写真家/クリエイティブ・プロデューサー(株式会社 博報堂)
アルスエレクトロニカを10年来追いかけ続け、来春、アルスエレクトロニカに関する書籍を出版予定。2014年からは「PRIX ARS ELECTRONICA」(国際コンペティション)の審査員。また同じく2014年にアルスエレクトロニカと博報堂との協働プロジェクト「Future Catalysts」を立ち上げ、現在プロジェクトリーダーを務める。写真家としても国内外の展覧会を多数開催しており、作家・詩人の池澤夏樹氏とともに東日本大震災発生直後から被災地を取材したレポート『春を恨んだりはしない』(中央公論新社)や、写真集『極東ホテル』『遠い水平線』『To the Sea』などの著書がある。AXIOMアーティスティック・アドバイザー。
中西 玲人 | Akihito Nakanishi
アートプロデューサー、アメリカ合衆国大使館 文化担当官補佐、一般社団法人 echo vision主宰
14歳で単身渡英し以後10年余を英国ケンブリッジ及びロンドンで過ごす。ロンドン大学卒業後、メーカー(ドイツ)・メディア(東京)・ギャラリー(神戸・ロンドン)を経て07年より現職。合衆国大使館における文化戦略の立案と運営に携わり、デザイン、アート、建築、音楽、ポエトリー、舞台芸術といった領域で分野横断的な企画を多数始動させている。個人では、批評、東京国際文芸フェス企画委員、展覧会企画なども手がける他、社会のハイ・インパクトなプロフェッショナル達を繋げる「echo visions®」も主宰。政策研究大学院大学修士課程修了(文化政策)。AXIOMクリエイティブ・アドバイザー。
脇田 玲 | Dr. Akira Wakita
アーティスト、慶應義塾大学環境情報学部教授
物理シミュレーションによるリアルタイム映像や色彩を制御できるマテリアルの製作を続けている。 近年は、流体力学や熱力学のモデルに基づく独自ソフトウェアを開発し、科学と美術を横断するビジュアライゼーションに注力している。2016年のアルス・ エレクトロニカ・フェスティバルでは、同センターの映像空間 Deep Space 8K における初の本格的8Kアート作品として、冨田勲氏への追悼作品「Scalar Fields」を小室哲哉氏との共同作品として発表した。AXIOMアーティスティック・ディレクター。